黒ナンバー・緑ナンバーの名義変更について

車を人に譲り渡すときや、逆に譲り受けるときに所有者の名義変更を行うと思いますが、
普段の生活の中で名義変更手続きを行うことはあまりないため、その手続き方法がイマイチ分からない人も多いことと思います。
また、
「自家用ならまだしも、事業用の黒ナンバーや緑ナンバーの車の変更手続き方法なんてわからない・・・」
と不安に思われている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
先に結論を申し上げますと、事業用自動車であっても、自家用車同様の手続きを取れば問題はありません。
(※ただし追加の提出書類が必要となります。後述しますのでご確認ください。)
そうは言っても、
「なんだか難しそうだし、行政書士にお願いするつもり・・」
そう考えていらっしゃる方も多いですよね。
名義だけを変更するパターンと、ナンバーまで変更するパターンなど様々ですが、
行政書士や中古車ディーラーなどでお願いする場合、相場で約1万円~3万円程の費用が掛かってしまいます。
また、希望ナンバーの申請にはこれに加えて別途3,000円の費用が追加されます。
はたして、名義変更とは自分で出来ないほど大変な手続きなのでしょうか。
一見難しそうに思える車の名義変更手続きですが、一度覚えてしまうと実は簡単です。
ただし揃える書類が多いことと、申請を受諾されるまでに時間がかかるため、ある程度の日数が掛かってくることは念頭に置いておきましょう。
以下に、事業用車(黒ナンバー・緑ナンバー)を含んだ名義変更手続きの方法について記述していますので、是非ご確認ください。
名義変更の流れ(普通自動車)
まずは名義変更の大まかな流れをご説明します。
流れとしては、以下となります。
①車の旧所有者から書類を取り付ける → ②新所有者(自身)で必要な書類を用意する → ③管轄の陸運局(陸運支局)へ出向き、書類を提出する
※後述しますが軽自家用車・事業用車の場合はお近くの軽自動車検査協会に出向く必要があります。
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なおこの場合、車を譲り受ける新所有者側が申請を行うものとしてご説明させていただきます。
<旧所有者からもらう書類>
旧所有者からが以下の書類を取得する必要があります。
・印鑑証明書(※3ヶ月以内のものに限る)
旧所有者の本籍地の役場に実印を持って行き、発行手数料を200円~400円支払って発行申請します。
ここで注意しておきたいのが、現住所の役場ではなく、本籍地の役場ということです。
もし旧所有者の人が本籍を別に持っている場合、わざわざ本籍地まで出向く必要があります。
また、旧所有者の人が実印登録を行っていない場合は印鑑証明書が発行できないことになります。
その場合、まずは印鑑登録をしてもらう必要があり、時間が掛かってしまうことを覚悟しましょう。
・委任状(※実印を押したもの)
国土交通省のHPからダウンロードすることが出来ます。
また、ダウンロードした用紙に記入と捺印を貰う必要があります。
・譲渡証明書(※実印を押したもの)
国土交通省のHPからダウンロードすることが出来ます。
また、ダウンロードした用紙に記入と捺印を貰う必要があります。
※④住民票
※印鑑証明書に記載された住所と車検証に印字されている住所・氏名が異なる場合、さらに住民票を取り付ける必要があります。
<新所有者が用意する書類>
新所有者(自身)で揃える書類・持ち物は以下となります。
・ 実印
・印鑑証明書(※3ヶ月以内のものに限る)
現住所の市区町村役場に実印を持っていくとその場で発行してもらえます。
もし実印の印鑑登録をしていない場合、印鑑登録手続きを行うことが先になります。
・車庫証明(※1ヶ月以内のものに限る)
車庫証明は警察署で発行してもらう必要があり、そのためにさらに必要となる書類があります。
<車庫証明に必要な書類>
・警察署でもらえる4枚綴りの申請書
・自宅から駐車場までの地図
ネットでグーグルマップなどを活用することをお勧めしますが、もし不慣れな人は手書きでも問題はありません。※ただし詳細を記載すること
・車を保管している駐車場とその周囲の幅などを計測したもの
・駐車場契約書もしくは駐車場使用承諾書
駐車場の管理下会社などに問合せをする必要があります。これが中々出ないために、車庫証明の申請が遅れる事例が非常に多いです。
つらつらと書き立ててしまいましたが、必要な書類や持ち物をもう一度確認しましょう。
(旧所有者から取得するものは旧、新所有者(自身)で集めるものは新)
(旧)・車
(旧)・車検証
(旧)・印鑑証明書(三ヶ月以内)
(旧)・委任状(実印を押したもの)
(旧)・譲渡証明書(実印を押したもの)
(新)・実印
(新)・印鑑証明書(三ヶ月以内)
(新)・車庫証明(一ヶ月以内)
上記の書類が揃ったら、あとは管轄の陸運局(陸運支局)へ出向き、書類を提出すると申請が完了します。
緑ナンバーの場合さらに必要になる書類
<事業用自動車から自家用自動車に変更手続きを取る場合>
・旧使用者の減車事業用自動車等連絡書
各運輸支局のホームページからダウンロードして入手することができます。
<事業用自動車であることには変更がないが、名義人が変更になる場合>
・旧使用者の減車事業用自動車等連絡書
・新事業者(自社)の事業用自動車等連絡書
どちらも各運輸支局のホームページからダウンロードして入手することができます。
名義変更の流れ(黒ナンバー含む軽自動車)
軽自動車の場合は陸運局ではなく、軽自動車検査協会での手続きが必要となります。
普通乗用車の場合と同じく必要書類を取得し、協会に提出すると申請が完了します。
以下に軽自動車(黒ナンバー含む)の場合必要になる書類をご説明します。
<必要書類>
・自動車検査証(車検証)
コピー不可
・新使用者の印鑑
個人の場合→認印もしくは署名
法人の場合→代表者印→署名
・新所有者の印鑑
使用者と同一の場合は不要
・新所有者の住所を証明するもの
個人の場合は住民票の写し、印鑑証明書のいずれかで、法人の場合は商業登記簿謄本・登録事項証明書・印鑑証明書のいずれかになります。コピーでも可能ですが、全ページ分の用意が必要です。
・旧所有者の印鑑
個人の場合→認印
法人の場合→代表者印
・ナンバープレート
使用本拠の位置が変更にならない限り不要です。
紛失などで手元にない場合は、車両番号標未処分理由書の提出が必要で、使用者印もしくは署名が必要となります。
・自動車検査証記入申請書(軽第1号様式もしくは軽専用第1号様式)
軽自動車検査協会の窓口で取得可能です。
・軽自動車税申告書
軽自動車検査協会の窓口で取得可能です。
・自動車取得税申告書
軽自動車検査協会の窓口で取得可能です。
・事業用自動車等連絡書(黒ナンバーのみ)
黒ナンバー車両(事業用車両)を使用しなくなった場合に必要となります。運輸支局輸送担当窓口に問合せしてください。
上記書類を取得したら軽自動車検査協会に提出を行い、手続き完了です。
そして手続きをする箇所は、新使用者が車を使用する場所(使用の本拠の位置)の事務所・支所・分室となりますのでご注意ください。
名義変更にかかる費用や日数は??
<費用>
以下普通乗用車の名義変更に必要な費用です。
・移転登録手数料・・・500円
・申請書の用紙代・・・100円
・ナンバープレート代・・・1400円~1900円
同じ県内で譲り受ける場合で番号を変更しない場合は不要です。
他県の場合は必要で1400円~1900円が掛かり、さらに希望ナンバーを取得する場合は追加で4000円~4500円程掛かります。
・印鑑証明書代・・・200円~400円×2通分(※新・旧所有者分なので×2が必要)
・自動車取得税(※対象者のみ)・・・譲り受ける車の時価に基づく
・車庫証明代・・・3000円以下
軽自動車の名義変更の場合は、申請料(手数料)は無料となります。
ただし、印鑑証明書など、書類取得のために必要となる費用はありますのでご留意ください。
<日数>
はたして日数はどの程度かかってくるのでしょうか。
実は陸運局や軽自動車検査協会では、申請すると当日には名義変更が完了します。
つまり名義変更にかかるおおよその日数は、書類を揃える日数によって変更するといえます。
旧所有者から提出してもらう書類も必要のため一概には日数を断言することは出来ませんが、
たとえ旧所有者からの書類を1日で揃えられたとしても、少なくとも車庫証明の申請は警察署で行う必要があり、早くて4日、土日をはさむと1週間はかかるため、最短でも5~8日と見ておくと無難でしょう。
まとめ
今回ご説明した通り、名義変更といってもその変更内容によっては揃える書類が異なってきます。
また、混同してしまいがちですが普通自家用車・事業用車の場合と、軽自家用車・事業用車では申請箇所や書類が違うので注意が必要です。
難しい手続きは必要ありませんが、その揃える書類の多さから、面倒だと考える人が多いのも頷けます。
お金に余裕がある場合は行政書士などに頼るのも一つの手かと思いますが、その場合においても結局は自身で揃える書類が多数あることを覚えておきましょう。
とはいえ代行会社に依頼した場合時間の短縮になることは確かなので、例えば新たに車を譲り受ける場合などは、車を賢く売却して、それを代行手続き費用に回すのも賢い方法といえるでしょう。
そして車の名義変更にかかる費用や日数は手続き状況や方法によって変わってきますし、自身で用意する書類ならまだしも、旧所有者に用意してもらう書類も多くあるため、
なるべく余裕を持った日数を見ておくと良いでしょう。
名義変更は取得する書類がとても多い分、書類不備で審査が通らない場合が多々あります。
そうならないように必要書類を十分確認した上で申請手続きを行いましょう。
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