光岡自動車という国産メーカーについて

光岡自動車という国産メーカーについて

光岡自動車という国産メーカーについて

光岡自動車というメーカーをご存知でしょうか。日本で10番目に認定された乗用車メーカーとして、クラシカルな外観の自動車製造を得意としています。
スタイリッシュなオリジナルのデザインカーを作る「ミツオカ事業」、ナショナルブランドカーを扱う「ディーラー事業」、
高級車からヴィンテージカーまで幅広く取り揃える「BUBU事業」の3本柱で成り立っており、私達にスタイリッシュな日常を提供してくれています。
個性的な外観の自動車をみかけたら、それはもしかすると光岡自動車の自動車かもしれません。
その成り立ちや事業の3本柱、過去生み出されてきた数々の名車に焦点を当てていきたいと思います。

■はじまりは小さな工場から

光岡自動車は昭和43年の冬、馬小屋を改装した富山県の小さな工場から始まりました。
昭和54年に新たに中古車販売業務を始めるまでは、鈑金塗装業を生業としていました。
ある時に創業者・光岡進の元に「イタリア車のマイクロカーの修理をして欲しい」という依頼が舞い込みました。
部品の調達は難しかったものの、つくりが単純であったことから、自分たちでも作れるのではという思いが生まれてきたといいます。
そうして生まれたオリジナル自動車第一号が「BUBUシャトル50」です。まるでおにぎりのような台形型の個性的な形をしており、
コンパクトで可愛らしい見た目で人々の注目を集めました。
BUBUシャトルのヒットもあって、昭和56年の冬には開発部を設立し本格的に生産を始めることになるのですが、不運にもその4年後の法改正がその躍進を阻むことになりました。
それまで1人乗りのマイクロカーは原付免許で乗ることが可能でしたが、普通免許が必要となり売れ行きが激減したのです。
一時は工場の閉鎖も行ったほど経営が行き詰っていた光岡自動車ですが、昭和61年に運命的な出会いを果たすことになります。
それは「クラシックカーを復元したレプリカ」です。
ロサンゼルスで販売されていたそれは、シャーシとボディがバラバラで販売されており、購入者が組み立てることが出来る「キットカー」でした。
光岡進の心には、「往年のクラシックカーを現在の品質のまま蘇らせることが出来るかもしれない」という思いがこみ上げてきたといいます。
それは、現在にも続く光岡自動車のオリジナルカーの基礎が誕生した瞬間でした。
光岡自動車が自動車メーカーの仲間入りをしたのは、本田技研以来の32年ぶりの、平成に入ってからのことでした。
それからというもの、「ビュート」、「ガリュー」、「リョーガ」など様々なオリジナルカーを販売し、どれもそのクラシカルな外観と個性で、
往年のクラシックカー好きから高い評価を集めました。
エクステリア=クラシックカーのイメージが強かった光岡自動車ですが、平成18年に発売したフルオリジナルカー「オロチ」は、
それまでのイメージを一新させており、鋭く先進的なデザインが印象的な自動車へと仕上がっています。
以降、2シータースポーツカー・ヒミコや、クラシックなエクステリアのハイブリッドセダン・リューギなど、車好きの心を刺激するような
個性的かつ実用的な自動車開発に取り組んでいくのです。

■光岡の3本柱

光岡自動車は「ミツオカ事業」「ディーラー事業」「BUBU事業」の3本柱で成り立っています。
「ミツオカ事業」では、夢のある自由な車作りを指針としています。
大手自動車メーカーでは作ることが出来ないような、オンリーワンの存在を目指し日々オリジナルの自動車を製作しています。
代表的な車種に「オロチ」、「ビュート」、「ゼロワン」などが挙げられ、それらは国内外に向けて現在も販売されています。
生産台数は年間約500台と少なく、完全受注生産のため納期が少し掛かってしまうこともありますが、その作業工程を知れば納得するはずです。
職人一人ひとりが丹精を込めて全て手作業で制作しており、製品の枠から外れた「作品」として世に送り出されるからです。
全国に展開している直営店や販売特約店で購入後のアフターフォロー体制を整えているため、稀少品であってもオーナーが不便を感じることはないでしょう。

「ディーラー事業」とは、輸入車正規ディーラー業を指し、、
誰しもが知っている世界のナショナルブランドから、日本ではあまり馴染みのないブランドまで幅広く販売しています。
ランボルギーニなどの名立たるラグジュアリーブランドを取り扱っているため、高い顧客満足度が期待されるのは言うまでもありません。
そのために光岡自動車は、社員教育を定期的に行い、整備や接客の面でもレベルの向上に取り組んでいるのです。

「BUBU事業」とは、新車・中古車にかかわらず輸出入を行う事業です。
光岡自動車の基幹事業の一つであり、中古車販売のネットワークとして広く知られています。
米国現地法人Mitsuoka Motors America Inc.を通じることで、直輸入とあらゆる商品選択を可能とし、
中古車のみならず日本未発売の新車、今では入手困難なヴィンテージカーまで、幅広く取り扱っています。
また、日本の中古車を海外へ輸出する業務も行っており、海外ユーザーからの信頼も厚く、高い支持を集めています。

■1日1台、職人達の手仕事。

一般的にトヨタ自動車などの大手メーカーでは1日1万台以上の自動車を生産していると言われていますが、
光岡自動車はその1万分の1。職人達が全て手作業で製作し、1台1台を「作品」として扱っているのです。
溶接行程では、職人達は連続して溶接機を薄い鉄板にあて続けることはせず、点と点を結ぶように照射しています。
それは、熱によって鉄板が歪んでしまうのを回避するための手段として採用されています。
また、大手自動車工場ではパーツをメーカーから仕入れて制作にあたっていますが、光岡自動車はパーツから全て自社生産で行っています。
鉄材の切り出し、配線の加工、樹脂の成形、シート・木材の加工といった、細かくこだわりのある行程全てが、手作業で行われています。
職人達の技術と想いが結集した珠玉の1台は、きっと購入したオーナーの血の通った相棒になることでしょう。

■光岡自動車、創業50年の挑戦

創業してから半世紀以上が経過した現在、光岡自動車が掲げているのは「新たな夢への挑戦」です。
「All New, All Beautifull」をコンセプトに、性能は新しく先進的であり、そして往年のクラシックカーを思い起こさせる美しいデザインを尊重しています。
光岡自動車の代表車種である「ビュート」は、初代を発売してから現在まで、その形をほとんど変えていません。
それはクラシックカーの美しさは時代が移り変わっても古さを感じさせず、完成された美しいデザインが人々に受け入れられている証拠ではないでしょうか。
光岡自動車は美しくロマンある車づくりを継承しつつ、一歩一歩を積み重ね、新たな50年に向けて挑み続けます。

■光岡を代表する過去と現在の車

その個性的なデザインで人々を魅了し続けている過去と現在における名車を紹介します。

・リョーガ(1998年~2011年)
リョーガは、日産自動車の乗用車・プリメーラ/プリメーラワゴンをベースに開発されています。大きなフロントグリルと曲面的なボンネットが特徴的で、クラシカルなデザインで機能的な5ナンバークラスの乗用車として高い人気を誇りました。バンパーにはメッキを施し、丸型ヘッドライトを採用することで、さらにその雰囲気を強調しています。

・オロチ(2007年~2014年)

日本神話に登場する「ヤマタノオロチ」にヒントを得たデザインで、第35回の東京モーターショーでコンセプトカーとして誕生したオロチ。その個性的で先進的なデザインは他と一線を画しており、あまりにも反響が大きかったことから市販化が決定しました。オロチは初の自社製フレームを用いた車種としても知られています。国の安全基準や環境対策などへの配慮をしつつ、約5年間の開発期間を経て市販化が実現しています。

・ビュート(1993年~)

そのスタイリッシュな外観で、クラシックカー好きの男性のみならず女性までも虜にしたビュート。その名前の由来は、「美・遊・人」であり、その名の通り遊び心溢れる美しい車体に仕上がっています。クラシックカーの価格は年々高騰しており、その乗り難さと手の出し難い価格から、人々から敬遠されつつありました。しかしそのデザイン性に魅了された人々から、「リーズナブルな価格で、手軽に乗れる扱いやすい車を」という要望が相次ぎ、光岡自動車はその声に応えビュートを開発しました。現在の販売価格は約181万円(税込)~と、小さな工場で1日1台を製造する製品とは考えられないほどに手の出しやすい価格で設定されています。コンパクトで取り回しの良い点やインテリア・エクステリアのバリエーションの豊富さが、女性人気の高い理由として挙げられます。オプションでシートを全て本革仕様に変更することもでき、廉価な価格でありながらもラグジュアリーな空間を演出することが可能です。

・ガリュー(1996年~)

初代を1996年に4ドアセダンとして生まれてから、現在5代目を迎えているガリュー。初代では日産・クルーサルーン、現在では日産・ティアナをベースとしています。他車種同様クラシカルな雰囲気を身に纏い、まるでゴシック建築のような存在感を誇るフロントマスクを持ち、ボンネットからは威厳が放たれています。まさに他に類を見ないそのデザインは、自分なりの生き方=我流を表現しているといえるでしょう。

■まとめ

見た人全てが思わず振り返ってしまうような、古くも新しい・美しい車を日々作り続けている光岡自動車。大手メーカーにない強みを活かしオリジナルの自動車を作り続け、オーナーの人生を飾る特別な1台を仕上げています。開発者の想いや職人達の妥協のない技術の結晶である光岡自動車の1台はオーナーのみならず、見た人全ての人生に彩りを与えることでしょう。創業してから50年が経過した光岡自動車の、新たな挑戦に注目していきたいです。