ベンツAMGって普通のベンツとどう違うの?

ベンツAMGって普通のベンツとどう違うの?

ベンツAMGって普通のベンツとどう違うの?

ドイツの自動車メーカー・ダイムラー社が自動車ブランドで展開しているのがメルセデス・ベンツだということは言わずとも知れた事実ですが、そのラインナップの中で時折見かける「AMG」とは一体何かご存知でしょうか。AMGとはダイムラー社のエンジニアが設立したパートナー会社で、そこで開発される車種はベンツ車の中でも一際走行性能が高く、高い技術と情熱によって製造されています。

今回は日本ではあまり馴染みのないAMG社の歴史とAMG仕様車種の特徴に焦点を当てていきたいと思います。

■AMG社の歴史

AMG社は元ダイムラー社のエンジニアであったハンス・ヴェルナー・アウフレヒトとエバハルト・メルヒャーによって1967年に設立されました。2人はメルセデス・ベンツ車のエンジニアとして当事から頭角を現しており、会社設立後もチューニングのエキスパートとして高い評価を受けていました。

1971年にはスパ・フランコルシャン24時間耐久レースに「AMG Mercedes 300 SEL 6.8」で参加し、クラス優勝を果たしています。また、1986年からドイツ・ツーリングカー選手権(以下DTM)に参加しており、通産160勝もの輝かしい成績を残しています。DTM史上最も多い優勝戦歴やドライバーズタイトルを獲得したチームとして知られており、1996年以降はメディカルカーとセーフティカーの提供も行っています。

そしてそれらのレースでの高い評価から、AMG社は世界中にその名を轟かせることとなったのです。モーターレースでの経験と弛まぬ努力から生まれた妥協の無い技術をメルセデス・ベンツ車にフィードバックすることで、今まで誰も見たことのないハイパフォーマンスモデルを創造しています。

■AMG車の特徴って?

AMGブランドが最も重要視しているのは、ドライビング・パフォーマンスです。AMG車でしか味わうことの出来ない力強い走り、ダイレクトなステアリング性能、吹き上げるようなエンジン音を大切にしており、走行性に特化した高性能車種を牽引するべく、現在においても常に改革者であり続けています。

以下にAMG社独自のテクノロジーによって生み出された革新システムをご紹介します。

2.0リッター 4シリンダーターボエンジン

2.0リッター 4シリンダーターボエンジンは、量産型4気筒ターボエンジンでは世界一パワフルと言われるほどの圧倒的なパワーを誇っています。あらゆる革新技術の搭載を行っています。最高出力は265kW(360PS)、最大トルクを450N・m(45.9kg・m)としており、ピエゾインジェクター、ツインスクロールターボチャージャー、鍛造ピストン・クランクシャフト、新設計クランクケースなどといったあらゆる革新的な先進技術を搭載しています。そのほか、優れた環境性能や心を震わすようなエンジン音を誇っています。

搭載モデル⇒A-Class/CLA/GLA

4.0リッター V型8気筒直噴ツインターボエンジン

圧倒的なハイパフォーマンスと高効率を実現するツインターボエンジンで、ホットインサイドVレイアウトを採用しており、2つのターボチャージャーをVバンク内側に配置しています。サイズの縮小化に成功し、コンパクトでありながらも力強く俊敏なレスポンスを誇っています。素早いレスポンス、類を見ない圧倒的なハイパワーとトルク性能、それらと環境性能を両立している非常に優れたエンジンとなっています。

搭載モデル⇒C-Class/GT

5.5リッター V型8気筒直噴ツインターボエンジン

ハイパワーと環境性能を両立させたエンジンで、あらゆる革新技術の搭載を行っています。効率の良い燃費噴射をアシストするピエゾインジェクターや、吸排気を最適化する電子制御可変バルブタイミング、アルミ製クランクケースなどを導入しています。また、AMGスポーツエグゾーストシステムを搭載しており、アクセルと連動した大迫力のエンジン音を楽しむことが出来るのも魅力の一つです。

搭載モデル⇒E-Class/CLS/S-Class/SL/GL/G-Class

6.0リッター V型12気筒ツインターボエンジン

AMGの真価とも言える、圧倒的なパワーを誇るエンジンです。高過給圧を適正化するターボチャージャー、水冷式インタークーラー、マルチスパークイグニッションシステムなどといったAMGの技術を結集させています。1,000N・m(102.0kg・m)といった驚異的なパワーによって最高峰のドライビングフィールが実感でき、アクセルワークに呼応する大迫力のサウンドを楽しむことが出来ます。燃費性能の高さとパワーを両立しており、環境への配慮も行っています。まさにAMGが生み出した最高傑作エンジンとして君臨しています。

搭載モデル⇒S-Class/G-Class

高性能を極めたトランスミッション・テクノロジー

モータースポーツで培ったAMGのトランスミッション・テクノロジーは、他の追随を許さない高性能を極めており、圧倒的な強度と耐久性、トラクションロスを極限まで無くしたスムーズなギアシフトを実現しています。また、GTモデルにはAMGスピードシフトDCTを搭載しており、ドライバーの意思を一瞬で駆動輪に伝えることが可能となっています。まさにモータースポーツの経験と活かされた技術の結晶といえるでしょう。

快適性を追求したサスペンション

AMGの正確なハンドリングは、そのサスペンションからもたらされると言っても過言ではないでしょう。全車にサーキット走行を想定した高性能なサスペンションを採用しており、少ないロールとダンパー特性によって、その正確性を実現しています。サスペンションのラインナップは、4輪にスプリングを採用した「AMGスポーツサスペンション」、後輪にエアスプリングを採用した「AMG RIDE CONTROLスポーツサスペンション」、そこに「マジックボディコントロール」を組み合わせた3種類で展開しており、さらなる快適性を追及しています。

絶大な安定性を誇る4輪駆動

セダン/ワゴンモデル、コンパクトモデル、SUVモデル別に3つの四輪駆動を容易しており、セダン/ワゴンモデルでは前後のトルク配分を前33:後67とし安定性と加速性能の両立を図っています。また、コンパクトモデルではトルク可変配分を可能としており、走行状況にあわせて前後100:0~50:50の範囲で配分します。SUVモデルでは、高次元での直進安定性とハンドリング実現のため、前40:後60というトルク配分を行っています。

■AMGスポーツモデル、堂々誕生!

メルセデス・AMGの新たな革新として、「AMGスポーツモデル」が誕生しました。AMGの先進技術を余すことなく注ぎ込み、走ることへの愉しみと快適性を実現したトップパフォーマンスモデルとして君臨しています。

第三世代のBlueDIRECTテクノロジーとツインターボチャージャーを搭載し、素早いレスポンスとハイパワーを誇っています。また、スプレーガイド式燃焼システムと最大圧力200barのピエゾインジェクターによって燃費状況を最適化しています。高強度と摩擦低減を実現するため、シリンダーウィールにはNANOSLIDE加工を施しています。そして軽量化を達成させるためにアルミニウム製クランクケースとシリンダーヘッドの採用も行っています。これら全てがAMG専用モデルとして専用開発されており、それによって生み出される最高出力は270kW(367PS)、最大トルクは520N・m(53.0kg・m)を実現しています。

セダンタイプのC 43 AMG 4MATICには、ハイパフォーマンスであるがゆえにそれを受け止めるための強化ブレーキが必要で、360mm径のドリルドベンチレーテッドディスクをフロント部分に、320mm径のベンチレーテッドディスクをリアに採用した、優れた制動力と耐フェード性、応答性を持った専用強化ブレーキシステムを搭載しています。また、AMGダイナミックセレクトシステムを搭載しており、スイッチ一つでシーンや気分に合わせた走行を楽しむことが可能となっています。

・E(Eco)モード…低燃費優先
・C(Cofort)モード…低燃費かつ快適な通常モード
・S(Sport)…スポーティなドライビングを楽しむ走行モード
・S+(Sport Plus)…さらなるダイナミックな走行が楽しめるモード
・I(Individual)…エンジン、トランスミッション、サスペンション、ステアリング、Ecoスタート・ストップ機能などを個別に設定できるモード

<AMGスポーツモデルラインナップ>

コンパクトカー/Mercedes-AMG A 45 4MATIC
セダン/Mercedes-AMG C 43 4MATIC
ステーションワゴン/Mercedes-AMG C 43 4MATIC STATIONWAGON
クーペ/Mercedes-AMG CLA 45 4MATIC
シューティングブレーク/Mercedes-AMG CLA 45 4MATIC Shooting Brake
SUV/Mercedes-AMG GLA 45 4MATIC

■まとめ

日本ではモーターレースファン以外にはあまり馴染みのないAMG社ですが、世界からは非常に高い評価を受けて現在にその名を轟かせています。モーターレースでの戦歴を見ると、他の追随を許さない圧倒的な走行性能がうかがえます。

1967年に創立してから今日に至るまで、妥協を許さない技術力で様々なハイパフォーマンスエンジン、トランスミッション、サスペンションなどを開発しました。それによって生み出された高性能なメルセデス・ベンツのAMGスポーツカーは、スポーツカー市場が減退傾向にあるある昨今においてもその人気が衰えることはないでしょう。技術者の弛まぬ努力と自動車への情熱で、AMG社は今後も誰も見たことのないハイパフォーマンスな自動車を創造してくれることでしょう。