自動車を購入・譲渡された場合の取得税とその計算方法

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自動車を新車で購入した時、もしくは中古車を譲り受けた時、もしその車両が50万円以上であれば税金が課されることをご存知でしょうか。
世間一般に「取得税」といい、ディーラーなどから新車で購入する場合、見積書の登録料の欄に記載されています。
取得税は地方税であり、各都道府県に納税を行います。通常は運輸支局にある税事務所にて購入者が納税を行う必要がありますが、
ほとんどの場合、ディーラーや中古車業者が代行をして取得税の申告と支払いを行っています。

見落としてしまいがちなのですが、
取得税は家族間や個人間で譲渡・売買した場合でも納税の義務があり、
名義変更の際に申告と支払いを行う必要があります。

取得税の計算方法は新車と中古車で異なり、

新車では自動車取得価格×税率、
中古車では自動車取得価格×残価率×税率

を指標に計算されています。

課税対象となる自動車は、三輪以上の軽自動車、小型自動車(5ナンバー車両)、特殊自動車を除いた普通自動車(3ナンバー車両)となっています。

ちなみに2019年10月より消費税率が10%に引き上げられるのと同時に、以降自動車の取得税は廃止される見込みで、新たに「環境性能割」といった課税制度が取り入れられる予定です。とはいえ現在車を新車で購入、もしくは中古車を譲り受ける予定のある人は、取得税について知る必要があるでしょう。今回は新車購入時と中古車譲渡の場合に分けて、取得税の取り決めとその計算方法について言及していきたいと思います。

新車の取得税計算方法

新車を購入する場合、多くの人がローンを活用するかと思います。ローンの場合、所有者はローン会社やディーラー、リース会社となっていることがほとんどですが、その場合においても取得税は購入者に課税されます。(※取得税を含んだ金額を分割で支払うこととなります。)

取得価格(課税標準基準額+オプション費用)×税率で計算され、自動車の取得税率は原則、自家用普通自動車が3%、軽自動車が2%、営業用自動車が2%となっています。

ちなみに新車を購入する場合、販売店によっては値引率が違うこともあり、メーカー希望販売価格の90%を課税標準基準額としています。
また、オプション価格はボルトやネジなどで車に固定されるカー用品の価格を指しており、ナビ、ETC、バイザー、オーディオ、エアロパーツ、バックカメラなどが対象となっています。
固定する必要がない、スペアタイヤやシートカバーなどは対象ではありません。
ちなみに、固定の必要があるマット類は取得税の対象になっていないなどの例外もあり、地方自治体の自動車取得税の取扱い項目をチェックすることをオススメします。

オプション価格は千円未満は切り捨てとなっています。

 

取得価格(課税標準基準額《新車本体価格×90%》+オプション費用)×税率
<税率>
自家用普通自動車:3%
軽自動車:2%
営業用自動車:2%

ここで新車購入時の取得税の計算例を見てみましょう。

<メーカー希望価格200万円の普通自動車に30万円のオプションを設定した場合>

・課税標準基準額:200万円×90%(0.9)=180万円
・取得価格:180万円+30万円=210万円
・取得税:取得価格210万円×税率3%(0.03)=6万3,000円

 ⇒6万3,000円の取得税

取得価格(課税標準基準額+オプション費用)×税率の式で表せる通り、上記の金額になることがわかります。

所得税を節税出来る方法をご紹介します。自動車製造の段階で追加するメーカーオプションであれば難しいですが、納車後に取り付けられるディーラーオプションを購入する際は、購入時にはオプションを追加せず、納車された後に後付けをすると所得税が課税されません。
所得税は50万円以上の車両購入時に納税を行う必要があるため、後日オプションを追加した場合は義務がないといえます。ただし注文書や契約書にオプションの記載があれば課税の対象になってしまうため注意が必要ですし、後付する場合は少し面倒でもあります。ディーラーオプションの額が大きい場合、少しでも節税したい方は試してみてはいかがでしょうか。

中古車の取得税計算方法

たとえ中古車であろうとも、50万円以上の価値のある車を売買・譲渡する際には取得税が購入者に課税されます。新車販売時のメーカー希望小売価格がそのまま適用されるわけではなく、それに現在の残価率を掛け合わせて計算されます。この残価率とは総務省が「課税標準基準額」に定めた率となっています。

以下残価率の早見表です。

※経過年数の見方ですが、例えば1月1日から6月30日までに取得した場合は0.5年に換算され、7月1日から12月31日までに取得した場合は1年として換算されます。

ここで中古車の取得税の計算例を見てみましょう。

<新車販売価格300万円の普通自動車(3年落ち)を購入した場合>

・課税標準基準額:300万円×90%(0.9)=270万円
・取得価格:270万円×0.316(3年落ちの残価率)=85万3,000円(※1,000円未満は切り捨てになります)
・取得税:85万3,000円×税率3%(0.03)=2万5,596円

⇒2万5,596円の取得税

<新車販売価格200万円の普通自動車(6年落ち)を購入した場合>

・課税標準基準額:200万円×90%(0.9)=180万円
・取得価格:180万円×0.100(6年落ちの残価率)=18万円

⇒取得価格が50万円以下となるため、自動車取得税は免税扱い

※ちなみに中古車の場合であっても、新車購入時にオプションを設定していた場合は課税標準義準額に加算されます。

 

前述していますが、家族間取り引きであっても車の取得税は課されます。車は大きな資産となるため、名義変更などを行って譲渡の履歴が残っていれば、課税対象として扱われます。取得価格が50万円以下であれば免税となるのは変わりありません。

減税・免税措置特例って?

よく巷で「エコカー減税」という言葉を耳にしませんか。
自動車税が減税・免税となる場合があるエコカー減税ですが(購入時の翌年の自動車税に適用)、実は取得税にも減税・免税措置が取られています。新車がエコカー減税と称されているのに対し、中古車の場合は中古車特例と呼ばれています。

以下、新車を対象としたエコカー減税と中古車を対象とした中古車特例の減税・免税の早見表です。

エコカー減税・中古車特例

これに加えて、身体や精神に障がいがある方が使用する目的の自動車には、自動車取得税の減免を受けられる場合があります。
地方自治体によって要件が異なるため、都道府県別の問合せが必要です。

また、車の仕様が間違っていたり性能に問題があるなどして、購入者に非がないにも関わらず車を返還した場合、免税措置が取られます。ただし取得日(車検証記載の日程)から数えて1ヶ月以内の返還が条件となります。もし1ヶ月以内の返還で、既に取得税を支払い済みの場合は還付が受けられます。

そして新制度として、環境性能割が導入予定となっています。現在、国をあげて二酸化炭素の排出量削減を急いでおり、例えば電気自動車やプラグインハイブリッド車など、環境に広く貢献した車には非課税措置を取る予定としています。その他、環境性能に基づいて税率を定めていく予定となっています。そのため、各自動車メーカーは競うように環境性能を向上させた新型車両の開発に心血を注いでいるといえます。(※環境性能割については後述します。)

二重課税問題って?

消費者から以前より、「自動車取得税は消費税との二重課税だ」と批判を受けていることもあり、近い将来取得税は廃止される動きとなっています。それゆえ政府は、前述した“環境性能割”を導入予定としています。税金の一切の廃止は予定していませんが、電気自動車やPHEVといった環境性能の高い車に非課税措置を取ることで、環境へ貢献する自動車の購入を消費者へ促しています。

しかし消費税を10%に引き上げる措置が2019年10月まで延期されることもあり、環境性能割も2019年10月まで延期される見込みとなっています。また、現時点は下記のように税率区分が決まっている環境性能割ですが、開発動向や地方財政への影響を鑑みて、2019年に再度見直しが行われる予定としています。

まとめ

新車購入時・中古車譲受時どちらの場合においても、取得税は課税されます。新車の場合はメーカー希望小売価格の9割掛けに税率を掛け合わせて計算されますが、中古車の場合は総務省が公表している残価率を使用して算出するので少しややこしく感じる方もいるかもしれません。

新車で自動車を購入する場合はディーラーや販売会社が代行してくれることがほとんどですので、覚える必要はないかもしれませんが、「取得価格(課税標準基準額+オプション費用)×税率」の式に当てはめると簡単に算出出来るため、確認したい方は是非ご活用ください。

家族間でやり取りする場合でも取得税を納税する義務があることを実は知らなかった方も多いかもしれませんが、もし納税の義務を怠ってしまうと、「脱税」扱いになってしまい、悪質だと判断された最悪の場合は

地方税法 第百二十七条により、五年以下の懲役若しくは百万円以下の罰金、またはその両方が課せられてしまう可能性もあります。

知らなかったでは済まされないのが税金関係なので、近々車を購入する・譲り受けるという方は気を引き締めましょう。ただし脱税は避けたくても、減税が可能であれば利用しない手はありません。ディーラーオプションを後付するなどして節税をすることは可能のため、手続きが面倒でない方は試してみるのもいいかもしれません。

自動車は大きな買い物のため、それにかかる税額も自ずと上がってしまうのは致し方ないことです。是非上手に買い物をして出費を抑えてみてください。